スイカと牛乳

 原寸大の精巧なクラゲのレプリカを冷蔵庫に入れ、十分冷えた数匹を、身体に抱き寄せて眠りたい、という妄想にもこの激しい暑さのなか駆られたりもするのだが、そうすると、今度はあの有名な葛飾北斎のタコの絵を想起させられることになり、なかなか困ることにもなる。別にエロやグロを目指しているのではなく、単純に、涼を得るという極めて実用的な目的のもと、妄想しているだけなのだが。
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 ところで、子供の頃読んだ本に、こんなクイズがあった。「牛乳よりスイカの方が、水分の含有率が高い:○か×か?」(「クイズ面白ゼミナール」という番組が昔NHKであって、その子供用の本を親が買ってくれたのだ。)
 正解は、「○」で、れっきとした液体である牛乳より、固体であるスイカの方に水分パーセンテージの軍配が上がるということに、「なるほどなあ、さすがにクイズにするだけのことはある題材だなあ」と子供心に感心したものである。記憶のみで書いているから、もしかすると間違っているかもしれないが。
 牛乳よりスイカの方に水分が多く含まれている、というのならば、スイカとクラゲという選択肢ではどうなっているのだろうという風に、つい好奇心が頭をもたげかかるのだけれど、クイズとして、それはあまりに興をそそられる題材とはいえない。軍配がどちちに上がるにせよ(知らないのだが)スイカとクラゲでは、上のような感心はできない気がする。やはり、スイカと牛乳というチョイスの妙が、ここでのポイントだったのだ。
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 いきものがかりだの昔のドリームズカムトゥルーだのブリリアントグリーンだのマイリトルラバーだのエブリリトルシングだのグローブだの青い三角定規だのといった「男ー女ー男」といったグループの配列を見ると、どうにもわたしは、水の化学方程式を思い浮かべてしまう。

  • H-O-H

 こういうものだ。「嬲」という漢字を思い浮かべるより、こちらの方が、本人たちにしてもよっぽどよろこばしいような気がするのだけれど、どうなのだろう。