ヨーヨー・マ「オブリガード・ブラジル 〜ライブ・イン・コンサート」*3

 えーと、全編ブラジル音楽、と断定していいのでしょうか。ボサノヴァもある。昨年出した「オブリガード・ブラジル」のライブ版。“初回生産限定版DVD“の文句に惹かれて手に取った次第。
 ああ、やっぱり「リベルタンゴ」は聴かせるねえ。通常聴かれている版よりややゆっくり目という印象はあるけど、それでも、燃えますね。3曲目の「メレンゲ」の最終箇所で、伸びに伸びるチェロの音なんてほんとエクスタシーだよ。4曲入ってるホーザ・パッソスって歌手の声は実にキュートだ。どうせならDVDには5曲目の「アグアス・ヂ・マルソ」を入れてほしかったです。「♪ジャガジャガ」とかいってね。(説明になってないか。)「人柄が魅力的だからこそ声も美しいんだ」と収録インタビューでヨーヨー・マが語ってます。7曲目の「ドーシ・ヂ・ココ」はあくまで優しく(終わり近くでキスの音を連発、客の笑いを取る)、8曲目の「クリスタル」は「リベルタンゴ」並みにスタンダードの風格が。威厳溢れてます。10曲目の「アフロ」は、何か不思議な感じの曲。現代音楽っぽい。ちょっと違うか。でも物語が組み込まれてそうな雰囲気。最終曲「ソ・ダンソ・サンバ」で、ホーザ・パックスが「ホィヤ」と呟き、それに客が大喝采して締めくくられます。
 DVDでは、このCDには入ってない「ブラジレイリーリョ」が一番おもしろかった。いい年こいたオヤジがピーッと笛なんか吹いたりしてね。楽しそうなんだこれがまた。実際に体が踊り出したくなるような楽しさ。これだよね、ブラジル音楽の楽しさって、って感じのテンション高い曲です。
 ・・・とまあつらつら書いてみたけど、実はさほどの思い入れは、ない。「ものすごくいい!」というわけでも、「げっ、何これ?」と怒り出したくなるようなものでもない。あくまで無難。ただ連休も最後なのでちょっと今までやったことのないジャンルに挑戦したかったという・・・。すまん。にしても、何が難しいって、そのスタンスの取り方が一番難しいなあ音楽って。