2006-01-01から1年間の記事一覧

「一、二、三、死、今日を生きよう! 成田参拝」読了

あ、ごめん。この時期に「死」の字は忌み言葉っすよね……。でも、ちょうど読み終えたので。忘れぬうちに。笙野頼子著。短編集。上の標題はふたつのタイトルを掛け合わせたもの。つまり「成田参拝」と「一、二、三、死、今日を生きよう!」の合体型。ぼくはは…

「ああでもなくこうでもなく5」読了

橋本治著。一気読み。「広告批評」の、文字通りの看板時評、だよね? 2004年5月真紀子の娘の文春問題から2006年11月安部内閣発足分までを掲載。いままでだと、政治関係の箇所は読み飛ばしていたのだけれど、今回は、さすがによくわかった。2005年9月11日の小…

福玉が来た

京都、切通し進々堂の福玉。はじめて見たよ(→●)。 大きさはメロン程度。触ると、ちょっぴりぺたぺたしている。と思ったら、これ、餅で出来てるんだね。 もらった人は正月が来ると叩き割り、箪笥のおもちゃが入っていたら「今年は衣装が貯まる」、箏が入っ…

今年最後の買い物

丸善本店にて。 鷲田清一「「聴く」ことの力」 ピーター・バスティアン「音楽の霊性」 笙野頼子「一、二、三、死、今日を生きよう! 成田参拝」 橋本治「ああでもなくこうでもなく5 このストレスな社会!」 笙野頼子の本は、見つけるのにわりに苦労したよ。

マリー・アントワネット

今月の装苑では来年公開の映画「マリー・アントワネット」がフィーチャーされている。んー。映画としての興味というより、単純にロココを全開で見せてくれれば満足という思いがあるけど、たぶんそうは行かないんだろうなー。前評判は、わりかし微妙? どうな…

岸田今日子×仲谷昇

週刊新潮のグラビアに載っていた若き日の岸田今日子と仲谷昇の美しい写真を見て胸を打たれる。1960年の冬。片方の手袋を口にくわえ、仲谷の煙草に岸田が火を付けるの図。(ちなみの、隣のページには、だるまストーブの脇で三島由紀夫と語らう岸田今日子の図…

絲山秋子のベスト本

http://www.akiko-itoyama.com/diary/?p=1590 絲山秋子の<今年ナンバーワン>の本は、多和田葉子「海に落とした名前」だそうだ。思わず、握手握手! と飛び出していってしまいたくなるほど、絶妙な選出。まあ、あくまでぼくにとってはだけど。個人的には、…

斎藤美奈子:今年の3点

http://book.asahi.com/review/TKY200612260276.html わりかし地味な本だと思っていたのに、というか、だからこそ、こうして伊井直行の「青猫家族輾転録」があちこちで好かれているのを見るのはうれしいかぎりだ。金井美恵子「快適生活研究」は、斎藤美奈子…

混淆文について

ぼくの中で、日本語の文章のかたちは、はっきりと以下の3つに分けられる。 1.通常型 2.丁寧型 3.口語型 文体、ということも、もしかすると可能なのかもしれないけれど、実際のところ、文体というのは、かたち、ではなく、もっと抽象的な、呼吸を言い…

待つこと2

ひとでしか、決して待ち得ない形態というのもある(筈だ)。例えば、創作に関わること。関係の創作……。だが、それはほんとうに、ひとでしか待ち得ない形態だと、断言できるのだろうか。

写楽の目から出る液体

ここのところ、「三つ目がとおる」の主人公、写楽保介の第三の目から流れ出る液体について考えている。作中で、「ヨダレ」もしくは「水」と表されていたあの液体は、どうして、「涙」と表されていなかったのだろう? 額にはあれど、同じく、目から出る液体な…

待つこと

そういえば、待つことをするのは人間だけじゃないんだね。犬だって待つし、虫だって待つ。植物だって、待ってるのかも。とくべつ、高尚な行為ではないんだ。

「エスケイプ/アブセント」読了

絲山秋子著。ほーう。多和田葉子の「時差」に続きここでも男性同性愛者が主人公になってるよ。連続で来るとわりと驚く。はやりか? 属性は異なれど(こちらは「元過激派」、むこうは「大学教員」)、性軌範においてはどちらも奔放という点で一致している。た…

顔名一致

毎日新聞で堀江敏幸が褒めていた鷲田清一の「「待つ」ということ」を現在読んでいる。鷲田氏の本を買って読むのは今回がはじめて。氏の顔にメディアで触れるたび、「顔と名前のイメージがみごとに一致してるなあ」と思うのは果たしてぼくだけだろうか?

DMM撤退

単純に、DVDを見る時間がなくなりつつあるので、「DMM.com」から撤退することにした。3ヶ月間、どうもありがとう。とても楽しかったです。結局、もともとの動機だった「青春の殺人者」が常に貸出中で見られなかったのは心のこりではあるけれど。(買おうか…

永江タイプ

週刊朝日で、永江朗が選んだベスト本。 カズオ・イシグロ「わたしを離さないで」(早川書房) アリス・マンロー「イラクサ」(新潮社) 金井美恵子「快適生活研究」(朝日新聞社) 2つも被る。そっか。ぼくは、永江タイプだったのか。(ということは、「イ…

読売新聞:今年のベスト本

毎日新聞で、3人が推していた本(→●)はここでは顔を出さず。まあ、川上弘美の「真鶴」は、<公正を期するため、委員の執筆した本は入れてありません>とあるから仕方ないか。で、その川上弘美は、毎日で、これまた3人が推している黒井千次「一日 夢の柵」…

「大江戸歌舞伎はこんなもの」読了 

橋本治著。教師を好きになれば、その教えている教科の方も好きになる、とはよく聞く話で。この前読んだ、同じく橋本氏の「これで古典がよくわかる」がおもしろく、かつ、よく理解できたので、それでは、よりいっそう縁のない「大江戸歌舞伎」というジャンル…

「万延元年のフットボール」読了

かなり自分によい影響を与えたような気がする「「伝える言葉」プラス」で、大江健三郎はこんなことを書いている。 じつはこれまでも幾度か、自分としては小説をやめたつもりでいた、そして再会した、ということはありました。『万延元年のフットボール』を書…

ロディア

http://www.quovadis.co.jp/group/rhodia_bs.html へー。「ロディア」ってのはブランド名なんだ。はじめて知った。会社名は「クオバディス」――ということでいいのかな? 買ってきたよ。オレンジをバックに樹のマークが並んでついてるメモ帳及びノートブック…

新潮に「しゃばけ」が来る!

わたたたたたた。来週から週刊新潮に畠中恵が登場するよ! 「しゃばけ」シリーズの最新版「ちんぷんかん」。そうか、思えば7月20日号の広告に、大々的に「しゃばけ」シリーズの広告を載せてたのは、これへの布石だったのか……。あまり、週刊新潮の読者と「し…

江口寿史×山田詠美

山田詠美の新作エッセイで江口寿史がカバーイラストを描いている(→●)。じつにまあ、みごとな仕事っぷりではないかと。わりに書店で仰天した。

消しゴムはんこ

ヒノデワシと聞くと、ぼくなんかはすぐにナンシー関を思い浮かべてしまうけれど、最近の主流はそうではないんだね。 http://www.hinodewashi.co.jp/ テレビから、どんどんファンを増やしているらしい。津久井智子氏。1980年生まれ。埼玉県出身。消しゴムはん…

万延元年・途中報告

毎日1章ずつ読んでいる。今日で11章まで終了。とすると、このぶんではあさって読み終える(筈だ)。 僕がいったん書いた原稿を徹底して書きなおす手続きを作ったのは『万延元年のフットボール』からだが、草稿を書くのに爽快があるのに対して、書き直しはた…

読売新聞:文学回顧2006

http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20061219bk03.htm おお、伊井直行の「青猫家族輾転録」がフィーチャーされてる。ちょっとぼくのベスト(→●)とも被る。あと、ここでもやはり川上弘美の「真鶴」は人気だねえ。5氏が選んだベスト3で、2人とも被ってる…

双子ですか?

スポーツクラブの水飲み場で、女性に話し掛けられる。年の頃は、30代後半。前に、同じクラス全員で取った写真を渡しに来てくれたのだ。「お金払いますよ」との申し出をていねいに断った後、彼女はぼくに尋ねた。 「あの、ちょっと質問していいですか」 「は…

モレスキン

何か手頃なメモ帳はないかしらんと探していたところ、「モレスキン」の名を発見。ホームページによると、「ヘミングウェイ、ピカソ、チャトウィンが愛用していた伝説的ノートブック」とのこと。 http://www.moleskine.co.jp/ 他にも、ゴッホやマティスの名前…

毎日新聞:今年のベスト本 

毎日新聞の読書欄に、執筆メンバーによる今年の本のベスト3が載っている。へー、やっぱり川上弘美の「真鶴」って人気あるんだなー、という感じに、4作ほど重複していたので、ちょっとそれらをリストアップしてみる。 こんな具合。 ナボコフ「ロリータ」:…

「これで古典がよくわかる」読了

橋本治著。ちくま文庫版。これの前身、「ハシモト式古典入門」がごま書房が出た時には、やはり橋本治とごま書房という(自分の中での)ミスマッチにかるく混乱して、けっきょく買わなかった覚えがある。といいつつ、同じくごま書房の「男になるのだ」は愛読…

「恋愛論」復刊

橋本治「恋愛論」がソフトバンククリエイティブから復刊。 http://www.sbcr.jp/books/products/detail.asp?sku=479733763X なんでまた、橋本治の本がソフトバンククリエイティブから……。まあいいや。これを機に、他の本も復刊してくれないかしら? 「ロバー…