岸田今日子×仲谷昇

 週刊新潮のグラビアに載っていた若き日の岸田今日子仲谷昇の美しい写真を見て胸を打たれる。1960年の冬。片方の手袋を口にくわえ、仲谷の煙草に岸田が火を付けるの図。(ちなみの、隣のページには、だるまストーブの脇で三島由紀夫と語らう岸田今日子の図。)当時岸田29歳。仲谷30歳。この人たちに関する情報量など自分の中で高が知れているのに、つまり、さほどの思い入れはなかった筈なのに、不思議なものだ。ノスタルジーにも似た哀しみが湧き起こる。仲谷の後を追うようにして岸田が亡くなったという事実が、この哀しみに拍車をかけているのか。正直、記事本文でも、岸田今日子について、詳しく取り上げて欲しかった。