2005-02-01から1ヶ月間の記事一覧

川上弘美他「恋愛小説」

サントリーと新潮社が手を携えて作った短編集、といった趣です。実際、読んでいる最中、ああ、ウイスキーが飲みたいなという欲求に苛まれること請け合い…って、これはあくまで、あまり酒を嗜まない者の意見であり、ほんものの酒好きの手にかかれば、どのよう…

マスクの季節

今年は、花粉の量がすごいすごいと、昨年の秋から騒がれていたので、一応、準備は万端に整えていたのです。と、いっても、まあつまり「マスクで防御する」といった、通り一遍のものなのだけれど。11月あたりも、なんだか鼻がグズグズしていたような。そして…

千住博「美は時を越える」

まあ、題名通りのことが、そのまま主張されている本とみなしてかまわないです。そっかー、美は時を越えるのだな、すばらしいなあ、という具合に。具体的に、取り上げられている“美”をいくつか紹介。アルタミラの洞窟画。モネの睡蓮。メトロポリタン美術館の…

「富豪刑事」第5話:ホテルの富豪刑事

tv

あは。これは面白かったなー。第3、第4話と、原作付きのがいまいちピンと来なくて、あまり感想らしき感想も出てこなかったのだけれど、これは、馬鹿馬鹿しさの点で、非常に素晴らしかった。筒井康隆原作の「富豪刑事」の馬鹿馬鹿しさとはまた別の路線を行く…

近藤ようこ「後には脱兎の如し」

近来の読書は、「乱読型」ではなく、「熟読型」に変わってきているから、そんな読書形態に、この本は実によく馴染んでいました。近藤ようこのエッセイ集。bk1に連載されていたコラムは、そういえば昔読んだような記憶があるのだけれど、でも、細かいところは…

五十嵐大介「魔女」(1)*1

これ、本当は読むかどうかあやふやだったんですよ。けれども、都内某書店で購入した際、3ページほど破けていて、仕方ないなあ、取替えに行って来るかと、休日の電車の待ち時間に駅のベンチで読み始めて、見事にはまる。(ちなみに、交換は無事成功。やたら…

さそうあきら「コドモのコドモ」(1)

ごめん。正直にいう。なんてグロテスクな話なのだ。小学生同士が子供を作る話。と、いっても、「セックス」なる語の入り込む余地がないほど彼らは(性的には)無垢で、だからこそ、ぼくなんかは、まるで異性人を見るような目で「不気味」と思ってしまうので…

僕の片方の耳は…

昨日の日経の芸術欄に、トゥーツ・シールマンスなるジャズハーモニカ奏者が紹介されてました。写真で見る限り、もうかなりのお爺さん。目が落ち窪んでて、口もしょぼしょぼしてる。大きな黒縁眼鏡と、口髭がチャームポイントという感じ。もちろんぼくは、こ…

「パッチギ!」

井筒和幸監督作品です。先週の日曜日、シネカノン有楽町で観て来ました。人の入りは、さすがに「誰も知らない」ほどではなかったけれど、でもけっこう混んでましたよ。題材が、1968年の京都を舞台とした、在日の女の子と、日本の少年との恋愛模様、というく…