2008-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『「死の棘」日記』も買う

もともと、今回『死の棘』を手に取ったのは、桐野夏生氏の新刊インタビューの中にあった、「毒があたった」発言に、はげしく興をそそられたから、なんですね。前に読んだ、金井美恵子氏のエッセイの影響(→●)も、たぶんにあるのだろうけれど。 ・桐野夏生さ…

あなただけがあたしのいきがいだったんだわ

にしても、おもしろいなあと(やはりこれは不謹慎ということにはなるのだろうけれど)味わい尽くしてしまいたくなるのは、以下に写したような『死の棘』における最初の畳みかける饒舌。 「おまえ、ほんとどうしても死ぬつもり?」 「おまえ、などと言っても…

島尾敏雄の写真

新潮文庫の島尾敏雄『死の棘』に載っている著者の写真からは、まったくもって、実直だの謹厳といった(要するに真面目そのものの)雰囲気しか、予備知識のない者としては受け止められないものだから、この小説で描かれている阿鼻地獄に対して、ミスキャスト…

カーテンを買う

新しい家具を選ぶよりも新しいカーテンを選ぶ方がずっと大変だとは、確か、この前図書館に返した金井美恵子著『迷い猫あずかってます』に書かれていたことで、なるほど、なにより、その選択肢の多さに辟易してしまうんだろうなあ――機能面というオプションは…

36色鉛筆を買う

銀座伊東屋リニューアル。ということで、おや、いつも買ってたあれが見当たらないんだけれどと、得意客らしきひとたちが店員を巻き込みつつ右往左往している様(でもみんなどこか楽しげ)を眺めつつ、購入したのは、36色鉛筆の中ではいちばんチープだった三…

ふつうのコンセンサス

あれですね、毎回、散髪をする際に、 毛先を1センチほど短く 全体を梳いて もみあげは普通に 耳は出して と頼むだけの簡易さをキープするために、3週間に1回の割で、あちこちの1000円(もしくはそれ以下)の散髪屋に顔を出すように今年からなっているのだ…

組んだらうれしい

寝る前に、「一冊の本」8月号に連載されている小谷野敦「美人好きは罪悪か」(今回の題目は「美人の経済効果」)を読み、なんとかして、小谷野氏と川上弘美のタッグを組ませることはできないものだろうか、とうつらうつらしながら考える。タッグを組む、と…

夜の誤飲

たぶん、やかんで作ったばかりの麦茶を、すぐに冷蔵庫に入れるとまわりのものを(へたすると )痛めることにもなるから、ひとまず、洗い桶に水を張った中に入れて冷ましているんだろうと何の疑問もなしに思い込み、喉が渇いていたので、その水容器からコップ…

行かえ抹消

中上健次の文章の行かえは編集者がやっていたっていうのはほんとうですか? で、金井美恵子は、わざわざ頭の中で、行がえを「抹消」しながら読み進めているという話なのだけれど(『重箱のすみ』)、そういえば、ナンシー関がいちばん最初にいとうせいこうに…

ところでブックオフといえば

引っ越しの際に利用した古本買い取り業者はここ。他に探すの面倒くさかったので。いやいや……。苦言、というのではないのだけれど、「バーコードを書いた紙をすべての箱に中に入れておいてください」というのは、ちゃんと最初にいってほしかったなあ……。せっ…

105円

所用で寄った駅の構内でブックオフの広告を見かけたのでふーんと思いつつ――そもそもその「所用」じたいがかなりにおもしろからぬものだったから――15分かけて立ち寄る。暑かった。でもラッキーでした。金井美恵子著『重箱のすみ』を手に入れることができたか…

休憩力

その内こうしたパラドキシカルなタイトルを持つ新書も登場してくることでしょう。なんとなく思った。もちろん体験から。パラドキシカル、というのともちょっと違うか。真面目な泥棒、とかいうのよりも概念として逆方向ではないしね。(たぶん。)