2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧

川上弘美全著作読了

読み終えました。一度はやってみたかった、ひとりの著者の全作品を読み通す件。昔はこれ、マンガ家でやりたかったのだけれど、当時は財力がなくてね。てなわけで、デビュー当初から追っかけてる、ああ、こういう道を辿ってなさったのかと感慨ぶかい、川上弘…

居職

ときに、ぼくは上記『此処彼処』を読んで、はじめて「居職」なる語の存在を知りました。居職? なんと読むのだ? イショク? キョショク? ちがいますね。正解は——「イジョク」:自宅で仕事をする職業←とは辞書の説明なのだけれど、注目すべきは、そうしたこ…

川上弘美×吉富貴子

そういえば、「川上弘美」と聞いてはっと思いつく装丁家というのはいないなあ——と思っていたのはひとえにぼくの怠慢で、なるほどな、吉富貴子氏がそうだったのか、と今になって気がついたのは、今回(川上弘美作品読破期間)における立派なひとつの収穫では…

『古道具中野商店』/『夜の公園』読了

だいたい同時に書かれていた、と見なしてもかまわないと思うんですよ。この川上弘美氏の小説2作って。巻末の初出覧を見ると、『中野商店』が「新潮」2000年3月号から2005年1月号まで、『夜の公園』が「中央公論」2002年9月号から2005年6月号までとなってる…

『小林秀雄の恵み』読了

『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』の際には、いちおうこちらも三島自身の作品に触れたことがあったから普通に楽しめることができてもなんら不思議はなかったのだけれど、今回は……。小林秀雄というと、はっきりと「文学史の中のひと」という認識しか…

『光ってみえるもの、あれは』読了

マサコさんの娘の名がアイコさんだというのは何かの符牒? というのは読売新聞に連載されていた当時には思いもしなかった発想ではあります。2001年5月から2002年3月にかけての連載だったからねえ。なにかを見越しての命名だったのか? それとも……。(マサコ…

『おめでとう』読了

川上弘美氏の2000年に新潮社から出た短編集。ひさびさに読みたくなって読み返してみました。というか、この本だけでなく、現在川上弘美氏の著作をあらためて全て目を通してみようかと目論んでいるところなのであります。犬を肩に載せてる車掌の話は、以前読…