2005-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ドリアン・グレイの肖像

わぁ。有名だとか古典だとかゲイだとかそういうのとは全然関係なく、もうむちゃくちゃおもしろいです。惚れますね、確かに。言語を巧みに操る技が通常のレベルを超えてるもの。嘘でもいいです、言われてることが。けれども、その言い方自体に美を認められた…

「男の子流」文学

上期「徹底抗戦!文士の森」での、笙野頼子による舞城王太郎評、ちょっと写し取っとこうかな。個人的に、かなり気になったので。 (P.51より) 舞城氏はリズムもオノマトペも決してまずくはなく、 イメージや理屈の飛びは時に独特で興味深い。 しかし氏はま…

徹底抗戦!文士の森

「福田コーソン」というのは、はい、「福田恆存」のことです。この本からのパクリ。作中で、 おーんなじF田でも昔の方とはえっらい違いですなあ。 と、現代のF田(K也)を煽ってるのだ。あらら、笙野さん、穏当でないなあ。――なーんていい人ぶりつつ、実…

サロメ(岩波文庫版)

ワイルド初体験。と同時に、福田コーソン(by 笙野頼子)初体験。意外に、といったらなんだけれど、ひじょうにおもしろかったです。「古典読んで眠くならなかった」というだけでも驚きなのに。まあ、やっぱりビアズレーの魅力というのは大きいっすね。好き好…

ヘンタイの哲学――ヒトの性欲と快感のしくみを探る

ちょっとムシャクシャすることがあったので、気晴らしにと買ってきました。とかいって、ほんとは純粋に好奇心で買ってきたんですけどね。何が「気晴らしにと買ってきました」だか。まぁそれはともかく。 いやー、いろいろ勉強になったなあ。世の嗜好のバリエ…

で、読んでみた。

あ、上の「蟲たちの家」の話です。うふぅ。内容も装丁も、ばっちりSixty-nine(1969)でしたね。ところで、えーと、どうなんでしょう。楳図かずおの描く女性ヌードに欲情する人間って、はたしてどれくらいいるのかな?

蟲たちの家

今年は、やたらとゴキブリの出没回数が多いです。さすが、歴史に名を轟かす2005年夏にふさわしい風物詩です。そして、それと連動してか――どうかなのかは彼らに訊かないとわからない――今年は、やたらとカナブンの出没回数も多いです。いや、うちマンションの…

ゲイ文化の主役たち

そういえば、前にこのような本も読んでいたのだった。1997年の本です。今はもう絶版となっているらしい。おもしろいのになあ。「現代のゲイ/レズビアン・アイデンティティの確立に貢献した」、上位100名を順に紹介しています。1位・ソクラテス、2位・サッ…

「――」のこと

えー、わりかしわたしは文章内でカッコの代わりに「――」←この棒を多用するのですね。(なんていう名称なのだろう?)けれども、これが、なんでだかはてなでアップする際には、必ず、というのは言い過ぎにしても、でも2回に1回は文字化けするんだ。まったく…

キンゼイ博士のこと

来週公開される「愛についてのキンゼイ・レポート」。キンゼイ博士、上に挙げた「ホモセクシャルの世界史」でも登場されておりまして。ふむ、で、今回の映画ではその点はどのように描かれているのだろうかと、ちらとストーリーを眺めていましたところ、 今回…

ホモセクシャルの世界史

ちょっと時間が出来たので、ぱーっと目を通してみました。ホモセクシャルをキーワードに、世界史を概観したような本です。いや、まあ、おもしろかったっすよ。へぇ、あの有名な××もゲイだったんだ、てな興味というのは、やっぱり不滅、というか、別に貶める…

妖怪大戦争

ああ、ナンシー関が予言していたように、いつのまにか豊川悦司って「恋人にしたい俳優」から見事に逸脱していたんだなあ。これまたナンシー関のタームを使えば、立派な「マント派」になってた。10年前、「愛していると言ってくれ」が始まって間もない頃、バ…

伯父と居候

よくよく調べてみたら、小島功って1928年生まれなんだね。そして姪っ子の安野モヨコが1971年生まれ。ふーん。ずいぶん年上の伯父さんなんだな。 まあこれは自分自身に即してものを見過ぎなのかもしれないけれど、1971年生まれの子に1928年生まれの伯父さんが…

阿部和重対談集

この本て、阿部和重の次回作「プラスティック・ソウル」(山崎まさよしファンの人、怒っちゃいけない)へのプロモーションブックなんだね。至る所にこの本の書名が出て来て、私なんかは単純に、身悶えする程、というのは大げさにしても、少なくとも、「出た…

伯父と同居

少女時代、安野モヨコと小島功は同居してたんですなあ。「ひとつ屋根の下」関係。単なる、「姪×伯父」の関係じゃなかったんだ。(プリンツ21より。小島功というのは、黄桜のカッパの人ですよ。って言うまでもないか。)前に、「マンガの道」って本で、「ふ…

団地ともお5

いつのまにか、彼らの一人称「オレ」が漢字の「俺」に変換されてる。カタカナにすることで何らかの効果(つーか意味)があったのかと思ってたのだけれど、そういうわけでもなかったのか、それとも単に小田扉の心境に変化があったのか(ちょっと変えてみよう…

Print21購入

Print21は安野モヨコ特集。というわけで、買ってきました。イラストも多く、なかなかの充実振り。週末にでも、じっくり読もうっと。ちゃんと、「働きマン」の登場人物名にも触れられている箇所あり。なんだ、気にしてたの、私だけじゃなかったんだな。

うつくしい のはら

題名がいいっすね。それだけで、もうポイントのほとんどは得ているようなものだけれど、さらに加えて、ネームがいい。敵に撃たれ死んでゆく兵士と、通りがかりの少女との会話。家を爆撃され死んでゆく母親と、その子供との対話。構成も、西原理恵子の作品と…