うつくしい のはら

 題名がいいっすね。それだけで、もうポイントのほとんどは得ているようなものだけれど、さらに加えて、ネームがいい。敵に撃たれ死んでゆく兵士と、通りがかりの少女との会話。家を爆撃され死んでゆく母親と、その子供との対話。構成も、西原理恵子の作品としては、かなり練られている。だって、これ、浦沢直樹×手塚治虫PLUTO」によせられているんだもの。絵に関しては言わずもがな。アトムもゲジヒトも出てこないものの、十分本編と拮抗している。
 先週のスペリオールに載った12ページの短編。現時点で、私の中の2005年度版ベストコミック。