2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『失われた時を求めて』読了

やあ。と、学校の課題とか仕事上の必要とかで手に取ったのではない、純粋に、どういうのだろう? といった好奇心でぜんぶ読み通したひととは、何となく、仲よくなれそうな気がします。握手をしたい。「ゲルマント公爵夫人とゲルマント大公夫人の区別が当初つ…

『狂骨の夢』読了

謎の上に謎が絡みその謎がまた次の謎と密接に関わり合うという錯綜状況をどうやって最終的に整理していくのか、というところに、とうぜん必死にページを繰っている者のひとりとしては目が行ってしまうのですが、今回のこれは、旧2作よりも、少々ハードでし…

『メタボラ』読了

きつい話っすねえ……。いやこれ非難じゃなくて、そのくらい——身体に響いてくるくらいに——パワフルだったと感嘆しているのだけれど。朝日新聞に2005年の11月から2006年の年末まで連載されていた作品だそうで。断片的な情報はちらほらと耳に入ってきていたもの…

『魍魎の匣』読了

文庫本にして1050ページ、とまらないっすね。いやすごいすごい。嵌る嵌る。他の作業が手につかなくなる。ただ、ここでの魅了というのは、内容の要素ももちろんあるのだろうけれど、「祓い賜え浄め賜え」ならぬ「天之斑駒之耳振立所聞食と畏み畏み白う」とい…

『妄想炸裂』読了

そうなんだ。三浦しをんはあまり『めぞん一刻』がお気に召さなかったんだ。かなり恥ずかしい。というのは、前に氏の作『風が強く吹いている』を読んだ直後に、『めぞん』のことを想起してしまったから。勘違い&勉強不足もいいところだった。氏の独自の調査…