『魍魎の匣』読了

 文庫本にして1050ページ、とまらないっすね。いやすごいすごい。嵌る嵌る。他の作業が手につかなくなる。ただ、ここでの魅了というのは、内容の要素ももちろんあるのだろうけれど、「祓い賜え浄め賜え」ならぬ「天之斑駒之耳振立所聞食と畏み畏み白う」というような、いままでこちらにはあまり縁のなかった音のひびきの新鮮さも大いに関わっている気がしています。作中作においての文体の違いにも、すなおに感嘆してしまうし。京極夏彦著。1999年の講談社文庫。これまでミステリにはまるで縁がなかったからなあ。はしかみたいなものっすかね? 成人してから嵌るものはことごとくたちが悪いというけれど……次の『狂骨の夢』も読みます。