2005-12-01から1ヶ月間の記事一覧

私は美人

ああ、わかるわあ。ここで書かれてること。 だいたい、男は鈍感でいいわよね。 いるかっつーの。自分のこと美人だと自覚してない美人なんて。 だから、酒井順子が、この本で思いきりそのことを指摘してくれて、溜飲が下がった、というか、痒いところに手が届…

軽いめまい

金井美恵子描くところの、特にドラマチックなことの起きない専業主婦の日常生活。 「文章教室」での主人公より、はるかに著者・金井美恵子のパーソナリティを髣髴とさせる主人公でした。 主人公との年代が近い、ということもあるのだろうけれど、ああ、わか…

SAYURI

なんだか、ふつうに「異国情緒」を楽しんでしまいました。 だって、ふだん地元に引っ込んでいると、それこそ外国から見た「日本」(というか「伝統」)になんて触れる機会ないからね。 ちょっと、ディズニーランドでのニッポン(イッツ・ア・スモール・ワー…

青い花(1)

鎌倉の女子校を舞台にした志村貴子によるガールミーツガールストーリー。ふふふー。何よりもこの「鎌倉の女子校」というところがポイントですね。志村貴子のやる気がぷんぷんと伝わってきます。江ノ電から見える海。幼なじみとの再会。図書館にある張り出し…

愛の生活/森のメリュジーヌ

金井美恵子のデビュー作「愛の生活」を含む、10編からなる短編集。ふふー。これはすごいなあ、とふつうに「愛の生活」には興奮しましたね。んんー、1967年の作か。(ちなみに、当時彼女は19歳。)つまり、この時代が醸し出す特有の空気にばっちりやられた、…

文章教室

おっと。これはずいぶんと、文体がこなれている印象があるので、てっきり最近の作かと思いきや、意外や意外、上の「小春日和」よりも前に書かれた小説らしいです。金井美恵子、37歳の作。(先と同様、刊行時の年齢です。)目白4部作の、ああ、これこそが第1…

小春日和

河出文庫版では、先に読んだ「タマや」よりも先に出ているから、てっきり古い作品なのかと思っていたのだけれど、年表によると、こちらの方が後に書かれているようです。金井美恵子、41歳の作。目白4部作の、第3作目。「タマや」同様、「彼女(たち)につい…

小川洋子の繊細さ

読売新聞毎週土曜日に連載されている小川洋子の「ミーナの行進」。そろそろ最終回へと近づいているのでしょうか? 前回、そして今回と、ペットのコビトカバの死について描かれていて、ついつい涙腺が緩みがちになっているのだけれど、作者がことさらに悲しみ…

クマとインテリ

もともと、地元のヴィレッジヴァンガードで表紙に興味を持っていたのだけれど、先日買った「このマンガがすごい!2006・オンナ版」で褒められていたので、購入に至ったという次第であります。 「イタリア男、スーツ、眼鏡がテーマの小粋なCOMIC」(裏表紙よ…

Mr.&Mrs.スミス

おや。気のせいでしょうか。予告編での、アンジーが横目でぎょろりとブラピを睨むシーンが、本編ではなかったような。あの、ダンスシーンでの話ですね。アンジェリーナ・ジョリーがスリットからにょきりと脚をのぞかせてるやつ。ううう。あのときの彼女の顔…

このマンガがすごい!2006・オンナ版

よしながふみ、絶好調だなあ。 自分の好きな人を、多くの人が口を極めて褒めそやしているのを目にすると、なにか、こう、脇の下にたらりと汗が流れるくらい昂奮しますね。(わたしだけかな?)

このマンガがすごい!2006 ・オトコ版

おっとー。小田扉へのインタビュー、これは貴重じゃないかなあ。 今回で、はじめて彼の生年月日を知りましたよ。 74年1月生まれなんすね。 同い年……。 なんだか、ずいぶんデビュー前は絵が下手だったと繰り返してますが、けんそんでしょうか? それから、「…

よしながふみは左利き?

『愛がなくても喰ってゆけます。』を眺め返してみると、どうも、それに間違いがないような気がします。 著者を模したと思われる主人公は、となりの人が右手で箸を持っていても、ちゃんと左手で箸を持っているし。 こういう、(利き手の)細かいところをきち…

イン・ハー・シューズ

先々週の週刊文春で、映画五人衆がベタ褒めしていた作品。 好奇心に駆られて、どれ、どんなものかと観てまいりました。 あまり、家族再生ものには食指が動かないと自分では思っていたものの、ふむ、いざ飛び込んでみると、やはり感動しますね。 キャメロン・…

現実入門

世評の高かった、穂村弘の、現実対応エッセイをようやく図書館で借りてきました。 ふふー。 なるほど。 これは、来てますね。 かわいいっ。 と叫び出したくなる人がいるというのも(いるのかな?)うなずけます。 本文と、あとがきとの大人度のギャップも、…

タマや (河出文庫)

金井美恵子の目白4部作第2篇。 『彼女(たち)について私の知っている2、3の事柄』で、非常にいい味を出していた登場人物が活躍しています。それだけでも、なんだか儲けたような気分なのだけれど、加えて、ここに出て来る男の子たちの(30歳は過ぎている…

爆裂

くだんの、姉歯騒動が勃発する前の話です。 わが老朽化マンションで、業者による説明会が行われました。 そこで、はじめてわたしは、ベランダにできているひび割れを、「爆裂」との名で呼ぶことを知ったのです。 「爆裂」……。 ちゃんとした名前があるのです…