タマや (河出文庫)

金井美恵子の目白4部作第2篇。
『彼女(たち)について私の知っている2、3の事柄』で、非常にいい味を出していた登場人物が活躍しています。それだけでも、なんだか儲けたような気分なのだけれど、加えて、ここに出て来る男の子たちの(30歳は過ぎているけど、まあ「男の子」だな)、べたべたしていない関係がけっこう好み。
つーか、主人公の他人への距離感に、惹かれるものがあったのかも。
ぞくぞくと出て来る固有名詞を、いちおうウェブで調べようかなと思いつつも、結局、ま、そういうのは向いている人がやればいいよな、と開き直っているのも、また彼の影響。(か?)