サロメ(岩波文庫版)

ワイルド初体験。と同時に、福田コーソン(by 笙野頼子)初体験。意外に、といったらなんだけれど、ひじょうにおもしろかったです。「古典読んで眠くならなかった」というだけでも驚きなのに。まあ、やっぱりビアズレーの魅力というのは大きいっすね。好き好き、ああいうデモニッシュな絵。まさに、19世紀末デカダンス
ところで、ああ、わたしはすっかり勘違いしてました。左側の、相手に睨みを利かしている方が、王女サロメだったのですね。(→)てっきり、右側のプリーツ着てるほうがそうだとばかり思ってたのに。実は、男性ヨカナーン。まあ、確かによくよく見ると脚はまさに「男」ですが。さすが19世紀末デカダンス。美少年はもとより、女性の描き方が堂に入ってます。
手塚治虫の「MW」では――あ、作中でビアズレーをパロディってたんだけど――左のサロメに、ゴルゴなみにごつい男、神父の賀来を配置してたんだよね。それもまた勘違いに拍車を掛けてた原因ではある。ちなみに、右のヨカナーンには、女装の達人、銀行員の結城美知夫を配してた。結城と賀来は幼少時代からの恋人同士で……って、こんな話はどうでもいいですかそうですか。