ドリアン・グレイの肖像

わぁ。有名だとか古典だとかゲイだとかそういうのとは全然関係なく、もうむちゃくちゃおもしろいです。惚れますね、確かに。言語を巧みに操る技が通常のレベルを超えてるもの。嘘でもいいです、言われてることが。けれども、その言い方自体に美を認められたら、それだけでこちらとしては全面降伏。運動神経の抜群な人見て、ただ「ほう……」と溜め息つくのと感覚としては一緒。まいったね。
ルフレッド・ダグラス卿は、この本を9回読んで、後にワイルドの恋人になったとか(→)。きれいな男だ。しかも、ダグラス卿、フランス語で書かれた「サロメ」を英訳して出版したというから、決して顔だけの男じゃない。今、いるかな。こうした、思わず「へえ」と感心するようなゲイカップル。ただ、この件がダグラス卿の父親に知られ、彼らはそれぞれ悲惨な結末に陥っていくのだけれど。そうした悲劇を繰り返さないが為に、目ぼしい人たちは今水面下に潜っているのかな。