稲垣足穂コレクション(5)少年愛の美学

ここんとこ、この手の本が続いてます。海野弘ホモセクシャルの世界史」がおもしろかったもんでね。ケルアックの「地下街の人びと」も読んだよ。これにはあんまり感心しなかった……。あと「サテュリコン」とかね。世界最古のゲイ小説。男の子を口説く場面以外読み飛ばしてしまった……。で、この稲垣足穂の本。うーん、正直これも、血湧き肉踊る興奮を味わえるかといったら、「それはちょっと」状態で。用語用語で引っ掛かって、スムースに進めなかった、というのもある。ただ、何ていうのかな、この本て、政治というフィールドからは、それこそ100万光年も離れているじゃないですか。そうした要素抜きに、単なる嗜好の詳細だけが語られてるのって、何だかちょっと新鮮な気がしました。蜂飼耳の解説は、わたしの目からするとずいぶん「カマトト」ぶっているように見えたけど、でも、あれが彼女の素直なところなんだろうな。