105円

 所用で寄った駅の構内でブックオフの広告を見かけたのでふーんと思いつつ――そもそもその「所用」じたいがかなりにおもしろからぬものだったから――15分かけて立ち寄る。暑かった。でもラッキーでした。金井美恵子著『重箱のすみ』を手に入れることができたから。値段をいうのも何だけど、1050円。レジのところで、眼鏡をかけた可愛らしい女性の店員は、最初にそれを「105円」を勘違いしていたのだけれど、こちらが指摘しなければ――というか、顔面筋肉をぴくりとも動かさなければ――そのままの値段で処理されていたのだろうか? という疑問がちらと湧き起こります。ポーカーフェイスは苦手なんだよなあ。ってそういう問題ではないか。