近藤ようこ「後には脱兎の如し」

後には脱兎の如し
 近来の読書は、「乱読型」ではなく、「熟読型」に変わってきているから、そんな読書形態に、この本は実によく馴染んでいました。近藤ようこのエッセイ集。bk1に連載されていたコラムは、そういえば昔読んだような記憶があるのだけれど、でも、細かいところはすっかり忘れてましたよ。高校時代の高橋留美子と仲良くなるきっかけが池上遼一のペンタッチだった、とかね。マニア同士の幸福な出会い。よい話です。
 あとは、松浦理英子との交際、だとか。松浦さん、「見晴らしガ丘にて」という近藤さんのマンガにも登場しているものね。主人公に、「彼女けっこう美人だし」と言われる役で。ぼく、このマンガ、めちゃくちゃ好きだったんだよなー。本人の弁によると、最近はマンガが売れなくて、こうして、文字だらけの本(中に1篇マンガあり)を出版するに至った、とのことなのだけれど。
 三十を過ぎて、自分で着物を購入する記載には、少し、触発されるものあり。買っちゃおうかな、俺も、着物(というか、ゆかた)。加えて、我が職場のトイレにも、ウォシュレットを付けてもらいたくなってしまいましたよ…。