マスクの季節

 今年は、花粉の量がすごいすごいと、昨年の秋から騒がれていたので、一応、準備は万端に整えていたのです。と、いっても、まあつまり「マスクで防御する」といった、通り一遍のものなのだけれど。11月あたりも、なんだか鼻がグズグズしていたような。そして年明け。ふむ、騒がれていた割には、意外と軽くて済むかしらん、と高をくくっていたら、来ましたね、バッチリ。毎年恒例の「鼻づまりで眠れぬ夜」が。ああ、これが本当に苦痛で、だからこそ顔にニキビができるのも我慢してマスクつけ続けてきたのに。と、悔やんでも仕方ないのだろうなあ。自然現象だもんね。薬飲むのは嫌いだし。ふう。後はもう、専門の人に任せて、こちらとしては、室内でもマスクをつけて何とか乗り切るしかないのでしょう。
 ところで、花粉症マスクは、立体型やひだ状になっているものより、布でできた古来ゆかしきタイプが一番効くと思うのだけれど、おそらく、今年になってはじめてこの世界にやって来たビギナーは、見たところ布タイプ以外を多く使っているような気がします。確かに、ルックスで選ぶとなったら、ふつうの布マスクは真っ先に切り落とされてしまうのかもしれない。ビジュアルなんて、気にしてられるかと、なりふり構わぬようになってきたら、そうしたらもうその人はこの世界で中堅。たぶん、ぼくもその辺りにいる筈。近所に、マスクをつけ始めると決まって吠えついてくる犬がいるのです。いい加減、覚えてくれよと嘆きつつ、そんなにまで、怪しい外見をしているのかと少し反省してみたり。いや、止めませんけどね。マスクつけるの。たとい犬に吠えられても、鼻の脇にニキビができても。