「ああでもなくこうでもなく5」読了

 橋本治著。一気読み。「広告批評」の、文字通りの看板時評、だよね? 2004年5月真紀子の娘の文春問題から2006年11月安部内閣発足分までを掲載。いままでだと、政治関係の箇所は読み飛ばしていたのだけれど、今回は、さすがによくわかった。2005年9月11日の小泉純一郎圧勝選挙を取り扱っている巻だし。そういえば、民主党で目立った女性ってのはいないねえ。それを氏は「サラリーマンの自民党」なんて表してるけど、ごめん、わりに笑った。そして当然、ライブドアの件にも大幅にページは割かれてて、気をつけてみた限りでは、氏が「堀江貴文」とフルネームで記載している箇所はなかったなー。堀江某とか、ライブドアの前社長とかいって。よっぽど苦手、というか、生理的嫌悪感を抱いているみたいだ。「姉歯秀次」もそうだっけ。こっちにはさほどの攻撃性は見られなかったけど。に、しても、不思議と、2年前ってぜんぜん昔な感じがしないねえ。初期にはあった芸能ネタも大幅に減って、政治、経済……そんな2年間だったってことか。460ページの大著なれど、氏の文章リズムに乗っかれば、あとはもうジェットコースターに乗ったが如く楽しめる。好きな人はもう手に取っているだろうし、そうでない人にも、この2年間を振り返るのにちょうどいい本なんじゃないかな。年の変わり目、気分一新の諸にはなるかも。