読売新聞:今年のベスト本

 毎日新聞で、3人が推していた本(→)はここでは顔を出さず。まあ、川上弘美の「真鶴」は、<公正を期するため、委員の執筆した本は入れてありません>とあるから仕方ないか。で、その川上弘美は、毎日で、これまた3人が推している黒井千次「一日 夢の柵」をベストに入れている。彼女の他のベストも載せてみるかな。

1:古井由吉「辻」(新潮社)
2:黒井千次「一日 夢の柵」(講談社
3:藤原新也「黄泉の犬」(文藝春秋

 数字は、ちょっとよけいな気もするけれど、まあはんぶんゲームみたいなものだから、いいか。4番目に、彼女は、伊井直行の「青猫家族輾転録」を入れている。おお。うれしいな。自分のと被る(→)。やっぱりぼくは、書かれたものだけでなく、川上弘美じたいも好きみたいだ。
 毎日で2名が推していた小川洋子「ミーナの行進」は小泉今日子が入れている。

1:華恵「本を読むわたし」(筑摩書房
2:小川洋子「ミーナの行進」(中央公論新社
3:片桐はいり「わたしのマトカ」(幻冬舎

 ちなみに、ベストがすべて女性作家なのは小泉今日子ただひとり。
 ……と、思ってたら、すみません、松永美穂のこのベストもそうだった。

1:柳原和子「百万回の永訣」(中央公論新社
2:アリス・マンローイラクサ」(新潮社)
3:アーザル・ナフィーシー「テヘランでロリータを読む」(白水社

テヘラン」、評判いいんだよなー。手、出してみようかなー。
 個人的には、町田康のこのベストがいちばんおもしろかった。

1:笙野頼子「一、二、三、死、今日を生きよう!成田参拝」(講談社
2:中原昌也「名もなき孤児たちの墓」(新潮社)
3:松本圭二アストロノート」(「重力」編集会議)

 笙野頼子のこの小説、未読。おかしいな。彼女の作品は常に書店でチェックしているのだけれど。気が付かなかった。てか、このタイトルの本を、どうどう1位に持ってくる町田康の心性が実にいいや。(今度読もうっと。)