2006-01-01から1年間の記事一覧

二人称小説

男性で、二人称を使った小説ってあるのかな、と思っていたのだけれど、ここを見ると、けっこうあるねえ。 http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=1300214 重松清「疾走」 北村薫「ターン」 式田ティエン「沈むさかな」 法月綸太郎「二の悲劇」 すいませ…

「空集合」

うまいタイトルだなあ。週刊新潮のKDDI広告に載っていた絲山秋子の掌篇小説。例によって、二人称で男と女のすれ違いが描かれているのだけれど、はっきり言って、携帯電話が重要アイテムとして出てくる掌篇に「空集合」とタイトルをつけるセンスってのは、決…

「静かな生活」読了

大江健三郎著。作家Kの長女マーちゃんの視点で書かれる連作集。伊丹十三の手で映画化もされたから知っている人も多かろうと思う。ちなみにぼくは未見。ちょっとした空き時間にすこしづつ読み進めてようやく読み終えたという次第。うん。ふつうにおもしろか…

多和田葉子インタビュー

こちらは日曜に載った毎日新聞版。「時差」への言及がけっこう興味深いな。 http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/gakugei/news/20061210ddm015070108000c.html 「相手は頭の中にいるのに、実際にはいない。同時なんだけれど非情に遠くて、手が届かないとこ…

「真夜中のカーボーイ」

「COWBOY」が「カウボーイ」ではなく「カーボーイ」なのは、水野晴郎の意で「都会的な雰囲気を出したかったから」というものらしいのだけれど……あー、ごめん。なんかその意はぜんぜんぼくには届いてなかったわ。ふつうに「カウボーイ」が出てくる、どちらか…

万延元年3

第3章。森の谷間に到着。間、体重132キロの大女、及び、ギーという名の気狂いのエピソードが紹介される。あらゆる時間と空間に偏在している“チョウソカベ”とは何者か……?

タモリのSM

1978年の第1回24時間テレビにおいて、タモリは赤塚不二夫とのSMショーを披露したらしい。昨日の古田新太のラジオでそんな話が出た。ゲストの清水ミチコによると、「わたしは(タモリの)大ファンだったから、これでこの人はテレビから干されるんじゃないか…

万延元年2

第2章。主人公の弟鷹四(たかし)アメリカより帰国。これから「新生活」を始めるべくみなで四国へ向かう……。わりに嵐の前の静けさ的雰囲気。

できないことができるようになること

「橋本治の男になるのだ」という1997年に出た本を、当時のぼくは計3回読み直した。そしてまた今回新たに読み直して、ここに書かれていることが、自分にどのような作用を及ぼしたのだろうと考えてみた。<思い込みの平均値を維持する努力は一番むなしい努力…

万延元年1

第1章読了。主人公の友人27歳はきゅうりを肛門に突っ込み顔を真っ赤に塗って首を吊る。それを発見した妻は髪を逆立て腕を振り回しながら夜の街を走る……。グロテスクリアリズムってやつ? はっきり言って嫌いじゃない。にしても、文章がメガトン級。

ゴキブリ大嫌い

http://www.yomiuri.co.jp/jinsei/shinshin/20061209sy41.htm ゴキブリが嫌で自殺を考えてるんだと。おおげさ。と突き放すことも可能だろうけれど、実際に毎日あの虫を目にしていたら、鬱っつーかノイローゼにもなるだろうなあ。小さいのならともかく、大き…

変換できない

昨日読んだ週刊新潮に「はくちって変換できないよ。こういう言葉狩りってどうよ」って記事があったのだけれど、あー、たしかにはくちってすぐ出てこないのは困るなあといま思った。白、と打って、その後、痴呆、と打って、呆を消したのだけれど――ああー、呆…

追い込んでみる

とうとう買っちゃったよ。「万延元年のフットボール」。大江健三郎32歳の作。立ち読みで見た、町田康のオールタイムベストの中に、大江健三郎うんぬんの記載があって、それで火がついたのかもしれない。同じくその中に、筒井康隆「万延元年のラグビー」に触…

2006年ベスト映画

今年はぜんぶで27本見てたみたいだ。 「イヌゴエ」 「僕の大事なコレクション」 「かもめ食堂」 「インサイド・マン」 「プラダを着た悪魔」 超大作とは、あまり縁がないらしい。わりに地味目……でもないか。(最後がね。)

2006年ベスト本

そろそろ書店でも今年の総まくり的な特集が組まれてる雑誌がいろいろ並んでいるねー。買うことはないのだけれど、ちらちらと眺めて楽しんだりしている。ベスト本特集とかね。ちょっと自分のもここに書いてみるかな。 カズオ・イシグロ「わたしを離さないで」…

「足ながおじさん」

1955年の作。これ、少女ではなく、おじさん目線で描かれると、かなり微妙な話になるんだね。

「バンド・ワゴン」

1953年の作。「フレッド・アステア」なる人物がどういうひとなのか確認したくて見てみた。ふむー。ルックスは、まあ、ふつうだね。ていうか、なんか、歌丸師匠を彷彿とさせる。それで、正直なところ、あまり彼の踊りにおどろきは感じられなかったんだ。見て…

丸さがポイント

今年の9月、残暑も厳しい折に、えっちらおっちら言いながら、近所のニトリで買ったちゃぶ台を家まで運んだ。ちゃぶ台へのあこがれというのは、「サザエさん」による刷り込みなのかな? ともかく、そうして苦労して家に運び入れただけのことはあって、このち…

性格は道具ではない

「もしもボックスさえあればドラえもんはいらない」との言説を巷間よく目にするけれど、「もしもボックス」の稼働領域は、言語ジャンルに限定されていなかったっけ? それに、「もしもボックス」だけがあっても、たぶんのび太はしずちゃんと結婚してなかった…

松浦弥太郎編集長

松浦弥太郎が「暮しの手帖」の新しい編集長になったとか。ふーん。そういえば、「装苑」の編集者特集にも顔を出していなかったっけ? と思ってぱらぱらと見返してみると、なるほど、来年1月25日発売号がその第1弾と書かれている。けっこう、いろんなコンセ…

確かにプラマンは使いやすいよ

試してみた。 http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/0611/21/news018.html うーむ。なるほど楽しいなあ。買った当初は、左から右に線を引くばあい、ちょっとインクが飛ぶかなーと思ったけれど(左利きなんで)、どうやらそれもなくなったらしい。無印の…

「プラダを着た悪魔」

プラダもシャネルもカルバン・クラインも区別つけられないけれど、いやー、これはおもしろかったなー。でっかい目玉のアン・ハサウェイは、文句なくキュートで、えっ、これがあの「ブロークバック」でジェイクの妻を演じた冷たい美人? とちょっとおどろいた…

「海に落とした名前」読了

多和田葉子の最新短編集。全て雑誌「新潮」掲載。だから、なのかどうか、ぼくには前作「アメリカ 非道の大陸」より文章の密度が濃いように感じられたよ。表題作は、事故で記憶をなくした女性が、病院で出会った医師の甥や姪と共に記憶を手繰り寄せていこうと…

「ドレミファ娘の血は騒ぐ」

そっか、これはじめはポルノ映画として制作されてたんだ。つーか、見終わってもそれなんかいまいち身に染みてこなかったりして……。黒沢清の1985年公開映画。ネットで見ると文字通り賛否両論てかんじだねえ。ぼくは、あまりのその意味のなさに笑ってしまった…

新刊「海」のサイン会らしい

ぱらっと丸善ちかくを歩いてたら、おっとっと、今日は小川洋子が来てるんだ。といっても、時間の都合がつかず本人を目にすることはなかった。行列しているファン層を眺めると、男女比6対4くらいで、ほぼ全員オーヴァーフォーティー。まあ場所が場所だから…

「苺とチョコレート」

うわーこれはせつないなー。1993年のキューバ映画ってことで、ゲイ映画の至宝とも評されてるらしいけれど、なんかこれって主人公のディエゴくんがあまりに哀れ過ぎない? みんな彼のこと立派って言ってるけど――まあそりゃ立派は立派なんだけれど――仕事を奪わ…

ポイズンガールバンド

古田新太のラジオで、「今現在気になっているお笑い芸人は誰ですか?」との問いに、ケラリーノ・サンドロヴィッチが、「ポイズンガールバンド」と答えていたので、ちょこちょこと彼らの姿をユーチューブで見ている。「ポイズンは乗っけ系(?)じゃないから…

カレンダー物色

有楽町流れで、伊東屋に行き、来年のカレンダーをちらちらと物色。入り口に貼ってある、旅のイラストのカレンダーがきれいだったので確かめてみたところ、上で止められていず、1枚1枚がばらばらだった。悩んだ末、買わず。(このページの下にある、「LONDO…

フィルター交換 

有楽町ビックカメラの地下1階で空気洗浄機のフィルターを購入。前に、春先に見た時と異なり、現在、地下1階のメインは加湿器に取って代わられていた。ふーむ。空気洗浄機、今買う人はいないのか……。

「新しい人よ目ざめよ」再読

前に「新しい人よ目ざめよ」を読んだときには、その三島糾弾にかなり意識を囚われていたのだけれど、今回読み直してみて、別にそんなに糾弾といった声高な主張は見られず、逆に、ユーモラスといった風情で三島のことが描かれているように思えた。まあ作中で…