「空集合」
うまいタイトルだなあ。週刊新潮のKDDI広告に載っていた絲山秋子の掌篇小説。例によって、二人称で男と女のすれ違いが描かれているのだけれど、はっきり言って、携帯電話が重要アイテムとして出てくる掌篇に「空集合」とタイトルをつけるセンスってのは、決してきらいではない。つーか、むしろ、積極的に、好きだ。読み終えて、思わず「得したー」との声が出たよ。同じ号の「福田和也の闘う時評」で、彼女のことがベタ褒めされてて(文学回顧:今年最大の話題は絲山秋子の芥川賞受賞)、もしかするとそれの影響もあったのかもしれないけど。「空飛ぶ恋」なる文庫に収録されるらしい。おすすめ。
ところで、ぼくはいつも、糸山氏の写真を見ると、スヌーピーの漫画に出てくるマーシーという女の子を思い出してしまう。眼鏡をかけた、まじめそうな女の子。なんとなく、たたずまいが似ている。と思っていたのだが、福田和也が紹介する、彼女の「豪傑」なエピソードを読むと、マーシーというよりむしろペパーミント・パティに近いみたいだ。
付記:なるほどー。こんど新潮社から彼女の新刊が出るんだ。
http://www.shinchosha.co.jp/event/#20061222_01
来週か。まだ書店には並んでなかったみたいだが。
池袋のジュンク堂ではトークセッションもやるらしいよ。来年の1月。