「苺とチョコレート」

 うわーこれはせつないなー。1993年のキューバ映画ってことで、ゲイ映画の至宝とも評されてるらしいけれど、なんかこれって主人公のディエゴくんがあまりに哀れ過ぎない? みんな彼のこと立派って言ってるけど――まあそりゃ立派は立派なんだけれど――仕事を奪われ、好きな人も取られたら、そりゃあ泣くよー。人間だれしも。あれで立派って言うのも逆に失礼なような気もする。いや、いい映画なんだけどね。強引に泣きに持ってってないし。そしてあれが現実なんだろうし。最後にいちおう美しい救いもあるし。でもねえ……。もっとまともな救いを最後に与えてやりたかったような気もするよ。それじゃあせつなさが減っちゃって興行的にだめなのかな? 途中、性も信条も乗り越えた男女3人の友情が成立しているシーンがあっただけに、よけいにね。