「これで古典がよくわかる」読了

 橋本治著。ちくま文庫版。これの前身、「ハシモト式古典入門」がごま書房が出た時には、やはり橋本治とごま書房という(自分の中での)ミスマッチにかるく混乱して、けっきょく買わなかった覚えがある。といいつつ、同じくごま書房の「男になるのだ」は愛読してたけど。つか、受験生でもないのに、今さら古典? かんけいないやといった感じでそのまま放っておいたのだ。
 読んでよかった。作中に出てくるフレーズ、<複雑な内容を持ったものをわかりやすく書く>が、そのまんま実践されていた。記紀から徒然草までをすーっと概観できるばかりか、「和漢混淆文」の歴史にまでスポットが当てられてて、なるほどなー、と例によってその理解できるスピードに沿いこちらはただ酔わされる始末。おもしろかったよ。あまりにおもしろかったから、これまた今まであまり興味の持てなかった「大江戸歌舞伎はこんなもの」(ちくま文庫)にまで手を出してしまった。んー。そういや、そろそろ「ああでもなくこうでもなく」のVol.5が発売される頃だ。予定空けとこう。