アンチテーゼ

 映画やマンガで、外見を変身させる薬はあるのだけれど、内面を変身させる薬にはまだお目にかかったことはない。と思う。とりかえばや(相互入れ替え)、の話なら珍しくはないのだけれど。例えば、キャンデーをなめると、心は幼児のままで体は成人になってしまう、とか。これを、キャンデーをなめると、体は幼児のままで心は成人になってしまう、といった逆バージョンにするとどうなるか。こうしてもいい。お湯をかけると男になるが、水をかけると女になる。の内面バージョン。「それでも記憶は連続している同一人物」という設定。(だから多重人格ではない。)どうだろう。フィクションとして、成立は可能だろうか。これは、上記「幼児・成人」「男・女」を、「同一人物」だと見なしうる眼力を我々が備えているか、という問いにつながっているのだが。