積み重ね

 西原理恵子の漫画になぜ人気が集まるかという問いに、「情熱大陸」ではさりげなく「彼女にしか描けない漫画を描いているからだ」と答えていたような。ふーむ。そこで思う。西原理恵子の行動原理に、ほかのひとと同じことをやりたい、というのはそもそもないもんな。(そういうふうに第三者からすると見えるな。)漁船に乗ったり、もんじゅに行ったり、ホステスになったり。そこにはまったくマスコミに汚染された思い込みがないから、オリジナルなんだろうし、だからこそ、そうした体験を踏まえて描かれた漫画は「彼女にしか描けない漫画」に自然となるのだろうな。翻って自分は。「今行きたいとこは?」と訊かれて、マスコミの影響下にない答えをする自信は、ちょっとないなあ。映画を観るのだって、マスコミの情報に負ってるとこ大だし。反省、はしない。しないけど、少しわが身を振り返る機会になったことは認める。自分の気持ちに正直に、という結語はあまりにベタか。