双子犬

 千夏、というのが新しい犬の名前だ。雌の柴犬。6か月。紆余曲折を経てようやく決定。ふう。よかった。ほっと胸を撫で下ろす。しかしその割についつい先代の名前が出てしまう。「こら、芽衣さん、噛んじゃ駄目だよ。」(噛み癖が直らない。)アイデンティティに混乱が生じるか。気をつけよう。
 ところで、千夏さんには双子の姉(妹?)がいて、本日彼女もどこかの家にもらわれていったらしい。千夏さんを購入した店のサイトで知る。ふう。よかった。ほんとうによかった。正直、彼女と千夏さんとは色しか異なる点を見いだせないのだ。やや千夏さんの方が濃いという感じ。だから、もしこのまま姉犬がもらわれなかったらどうしよう、とずっと気に病んでいた。今は別に柴の人気なんてないしなあ。それに1月生まれと他の犬よりやや年増だし。ああ、仲良しだった千夏さんが去って、彼女は店で寂しく過ごしているんだ。(まあ他にたくさん小犬はいるのだが。)最悪の場合・・・・・・いや、よそう。そんなこと店の人たちがするわけがない。と思う。ついつい犬のことになると感情高になってしまう。
 ずーっと店のサイトには他の小犬に紛れ姉犬のコケティッシュな写真が載っていた。つまり千夏さんの若かりし頃とほとんど変わらぬ写真だ。その写真が、今日は、ない。もらわれていったんだ。よかったなあ。ほんとうによかった。よかったのだけれど、その写真がもう見られないことに、ちょっと泣く。(うざいね・・・。)
 千夏さんは元気いっぱいで、飼い主を飼い主として認識しているのかいないのか、我が両手に喜んで噛み付く日々。興奮のあまり二本足でもたれかかってくる。これは、うまく行けば、北海道の二本足歩行犬の後釜を継げるかも、と想像したり。あ、千夏ってのは軽く「ショムニ」入ってます。