馬耳東風

 橋本治「上司は思いつきでものを言う」に書かれていたアドバイスを受け、楯突くでもなく、かといって無視するでもなく、言われたことに対し、「ええー、それはちょっとどうでしょう?」というパフォーマンスをする。つまり、「もうちょっと別の見方をしてもいいのではないでしょうか」と、ささやかながら提言する。いや、した、つもりだった。ところが、相手には見事に理解されず、かわりに、6年前の私の幼い失敗まで持ち出され、かなり消耗した。「あの頃に比べ、成長したねえ」という文脈だから、別に際どい空気を吸ったというわけではないのだけれど、今さら、6年前の出来事を持ち出されても。てゆーか、よく覚えてるな、とそっちのほうにいたく感心。最後には、どんな言葉か飛び交っているか、まるで頭に入らなくなってしまった。ふう。伝達力が欲しい。力じゃないか。なんだろ?