「MS」映画化なるか

 ところで、私には、姉妹の区別があまりつかなかった。四女ラックス以外は、誰がどれでも全然かまわなかったような気が。四女ラックスの役割は「性に奔放」。定番フレーズ。だからこそ、思春期の「ぼくら」に一番インパクトがあった、なんて訳者は書いている。ふむ。まあ確かに「性に奔放」だと、「知性」や「神秘」より派手な行動に出がちではあるね。ただ、このバランスの悪さは、本作において瑕瑾になりうるかもと思った次第。その点、「ミドルセックス」は、登場人物が魅力的で、“語り部”もこの作品に勝るとも劣らない工夫が施されている。ちゃんとハードル超えてますね、ジェフリー・ユージェニデス。昨日の日記で、山崎まどか氏が、「ミドルセックス」のことを「近い将来ゼメキスで映画化されるかも」と予想してました。とすると、“ミドルセックス”たる主人公は誰の手に? ケイト・ブランシェット、じゃかなりベタか。