ドラえもんのループ

 大人になったのび太は、ドラえもんが小学生の自分とタイムマシンでやって来ても、特に感動を見せない。ときどきそうしてタイムマシンでやって来るから? にしても。大人になったのび太のところに、ドラえもんはもういないはずなのに。これがオバQになると、「劇画・オバQ」で見せたような「うわーっ、懐かしい!」という“感動の再会”になるのだが。
 ここに、オバQドラえもんの本質的な差異がほの見える。オバQを「子供の頃の友達」と言い表しても構わない。翻って、ドラえもんは、もう少し子供と「近しい関係」にある存在なのだろう。もっというと、ドラえもんのび太は、決して不可分の存在ではなかったのだろう。さらにいうと、ドラえもんと子供ののび太を合わせて、大人ののび太は出来上がった、のかもしれない。のび太、大人になって、太っちゃったしね。
 なんてことを、床屋で髪切られながら思う。