ノスタルジア

 今となっては懐かしい。15年前、「ちびまる子ちゃん」がアニメになるというニュースはかなりの衝撃だった。(フジテレビ、おいしいとこに目を付けたなあ、と。)そしてその後当然のようにヒット。エンディングテーマ「踊るポンポコリン」もミリオンセラーとなり、もはや「りぼん」における「ちびまる子ちゃん」の立ち位置が語られることもなくなった。
 さくらももこ「ほのぼの劇場」文庫化。この絵柄に陸奥A子の影響を見る人も多かろう。だが、これはこれで楽しめるものだったと記憶している。そして、この絵柄に、私はさくらももこと「りぼん」の蜜月時代を見る。アニメ前の「ちびまる子ちゃん」の存在は、「りぼん」のトラッドに見事に適応していた。才能のあるひとが成長するのは必然だが、ある意味哀しい。アニメ化されなかった、別の未来に思いを馳せたり。(現在の「ちびまる子ちゃん」には全然触れてないから、こんな偉そうなこという資格はないんすけどね。)
 意味のない思い出。高校の担任がホームルームで質問して曰く、「アニメのちびまる子ちゃん見てるひとってどれくらいいるの?」。当時手を挙げなかったのは、男子校に来たことを死ぬほど悔やんでたN氏ひとりだった。