独壇場は困るよ

 橋本治は、思いつきでものを言う上司には「まずは態度で呆れたと示せ」と言ってるよね。でもね、それ実際にやるとなったら、ものすごく難しいと思うんだ。だって、例えば上司とカラオケ行って、その唄いっぷりに呆れる、なんてことできないもんね。「わあ、すごい熱唱でしたね」とか言っても、これ多分額面通りに受け取られるだけだろうし。いや、今日もさ、会議があったんだ。金曜の夜なのに。帰りなんて11時過ぎだよ。しくしく。まあそんなことはどうでもいいや。問題は、上司が、その会議の内容とは思いっきり関係ないことを平気で口にすることなんだよ。もう、ほんとに関係のないはなし。それでいて、「いまオレってちょっとした気のきいたこと言ってるな」なんて雰囲気濃厚に醸し出してるから、他人ながら、こっちの顔が真っ赤になっちゃったよ。ああ、恥ずかしかった。
 どうすればいいんだろう、こういうおじさんに対しては。「そのはなしは今回の議題とは何の関係もないでしょう。おかしな横槍を入れてこちらの時間を奪わないで」なんて言わずに、ただ、態度で「へぇーっ」と呆れる。難しいよね。それができてこそ一人前のおとな、なのでしょうか。「そもそも会議を開催するには、予めある程度出来上がったものを見せるのが筋ってものだろ。それを、なんだよ、何か問題点はありますか、って。その問題点を自分たちで検討してからこちらに声をかけるべきなのに。」同僚の弁。そこまでは怒れなかったけれど、まあ気持ちは痛いほどわかる。・・・ん? ちょっと「どーでもいいや」的気分に侵されてる? 染められてる? あきらめてる? 平日はきついなあ。