束ねる言

 池田晶子は前回の長崎女子児童殺傷事件を「言葉による殺人」と表し、ここにきてまた「言葉による殺人(未遂)」か。クラスメートを「キチガイ」と評して快活と見なされる男子児童、ね。ふーむ。共通の的の前に結束する人間の習性、ってお約束のことばがここでも浮かぶ。この「異分子を排除する」傾向って別に日本独自のものじゃないよね。いや、別に包丁男子が異分子だった、と断じたいわけでなく、異分子を作り上げるという政治的手腕を発した小六男子に多大なる感慨を抱いただけっす。買い被り過ぎ、単なる生理的悪口か?
 彼曰く「悪口を言って僕も悪かった」。この発言が本当だったしても、いや本当なんだろうけど、それをそのまま載せる意図ってどうなんだろう。民衆を束ねようとする新聞にちょっと鼻白み。森下愛子石原さとみに「言葉は選んで言いなさないよ」と諭す時代ではあるんだけどな(inWB2)。意味が違うか。