脱定番

 えなりかずきの磐石さ、というか、その「レールの踏み外さなかげん」に業を煮やしたナンシー関はこんな発言をする。「彼が殺人犯を演じるドラマを見てみたい。」例によって記憶のみに頼る。誰かとの対談での発言だったと思う。
 まあ確かにえなりかずきが殺人犯を演じれば意外性はあるよね。逆に、現代では、リアリティがあるということにもなるかもしれない。一定量のおもしろさは保証できそうだ。恋人を殺した翌日もえなりスマイルで「おはようございまーす」なんつって何げに暮らしてるとか。恐いなあ。あの笑顔の意味にまで言及したくなる。しかし、それをやったら完璧イメージダウンは免れ得ないだろう。巣鴨の客層が一斉に引くこと必至だ。
 まあ殺人犯とまではいなくても、例えば「笑えるくらいに運動神経がいい役」とか「『猟奇的な彼女』の裏バージョン、つまりは『猟奇的な彼氏』役」に抜擢するのはどうだろう、と「サンダーバード」や「LOVERS」の予告編を観ながら思った。「どうして映画には笑えるくらいに運動神経のよい美女ばかりで、笑えるくらいに運動神経のよい醜女(しこめ)が登場しないんだろう」という問いから発展した妄想。特に「猟奇的な彼女はえなりくん自身がお気に入りだからやらせてあげればいいのに。
 そういや、その前に「WB2」のパロディ、「WATER BOZU」なんて映像が流されてたんだ。正直「WB2」のメンバーはどういう風に出てくるんだろうと軽く期待。はぐらかされたが。でもこの手のパロディより「天才的運動神経のえなりかずき」といった方がおもしろそうな気がする。荒川良々をちょっと混ぜるとか。美男美女に頼るだけじゃなく。需要の開拓が必要なのかな。