連爆なるか

 こんなことをいうのは十分下世話だとは承知しつつ、明日選考が開催される第131回芥川賞舞城王太郎が受賞すればおもしろいなと思う。といっても候補作「好き好き大好き超愛してる。」は未読。「群像」掲載時に手に取ったものの、すぐに読みたくなるような希求力は感じられなかった。だからあくまで文学上のそれではなくお祭り騒ぎとしての期待。しかし、今さら芥川賞に「新人作家奨励」としての側面を期待するのは時代遅れのような気がする。そして、再び「綿矢・金原」級の騒ぎが起こるものまた一興かと観客としては思う。(この「興」の中にはもちろん舞城の覆面問題も含まれる。)今回村上龍はプロモーターの才能をどう発揮するか。少なくとも他の4候補より起爆力はダンチだろう。間を空けると大衆は飽きる。連爆、なるか。