サムライの本

 甲野善紀井上雄彦の対談本「武」。互いが互いに尊敬の念を抱いているのがひしひしと伝わる。ウォーミングアップにあまり意味はない、等の文章を読んで、文字どおり「目から鱗が落ちる」。実践するかどうかはわからないけれど。
 昔、週刊朝日の似顔絵塾に甲野善紀のイラストを出したことがある。風邪をひいた時、暇つぶしに描いたのだ。みごとに採用されなかったが。テクニックの問題以前に、彼の持つ「武士」そのものの雰囲気を出せなかったことが何よりの敗因だったのだろう。巻末に載っている写真を見て、改めてそう思った。