夢とか希望とか

作文の時間に、「将来の夢」というテーマを与えられ、はたと困る人、嬉々としてマス目を埋める人と、色々いたとは思うけど、少なくともみんな、二鳥修一くんが、「先生 ぼく おっきくなったらきれいな女の人になるんです」と書けなかった気持ちはわかると思うんだ。こんな、二鳥修一くんが、何の気兼ねもなく、「ぼく おっきくなったらきれいな女の人になるんです」と書けて、それを読んだ中澤先生も、別段けったいな反応をせず、「そうそう、そういえばわたしの友達にもね……」なんて、フランクに受け止めるような、そんな空間が――ある種の理想郷の名にふさわしいのかもしれません。(学校で作文を書かせることの如何はこの際脇に置いといて。)