「青猫家族輾転録」

 伊井直行の新作です。
 若人の諸君、帯の文句に気後れしては駄目っす。

僕は50歳。
色々あったけれど、
失われた10年」と呼ばれた1990年代を、
何とか僕なりに乗り越えた――。

 大丈夫。君たちが読んでも、何ら問題なく楽しむことができます。保証します。 
 そして、この本が希求対象としている「団塊直下」の人びとには、ちょっぴり、やっかみを感じてしまうな。

 運命が人に働きかける時、世界は僻地の分校くらいのサイズに縮んで、出会うべき人には必ず出会う。世界はそんな風にできている(とおじさんは語った)。

 この「おじさん」の使い方というのが、また時代にマッチしてるっぽい。好みっす。