ロリータ2

 拘束する父親、それに、若い娘に欲情する中年男をブレンドすれば、うわー、これで辟易するなっていうほうが無理ってもんだよ。すごかったなあ、ジェームズ・メイソンによるハンバート・ハンバートの演技。 特に、勝手に退院したロリータに腹を立て、ついには医者に「拘束服を持ってこい!」とまで言わしめる逆上っぷり。 フィクションなんていうことが頭からはじけ飛ぶくらい、しんけんに釘付けになってしまったよ。夜の蝶を思わせるスー・リオンの前髪の重さにこちらが慣れたせいもあるかもしれない。見てよかったなー。ありがとう、DMMって感じだ。キューブリック言うところの、ナイトメア・コメディに、ぞんぶんに浸ることができたよ。*1
 そうだ。前に、原作を読んだ時には、日本でのハンバートには渡辺謙あたりが妥当なんじゃないかなーと書いたけど、気持ち、変わったね。日本のハンバートには、是非とも、武田鉄矢にお願いしたい。娘にかかってきた電話を邪魔するためどこまでも果てしなく柿ピーを食べながら追いかけるような武田鉄矢版ハンバート。合うと思うなー。意外にね。

*1:失敬。これは「博士の異常な愛情」を表したフレーズだった。