オカリナ吹きたい

 きのうは、細野晴臣アンビエント・ドライヴァー」の影響で、何だか部屋のラップ音にも、外の虫の音にも、いつもより敏感になっていたんだ。そんな状態だったからか、川べりでひとり、男が奏でているオカリナの音色にも、いつもより敏感に、さらにいうと、そこにちょっとした意味を見出そうとする姿勢になっていたんだ。大げさにいうと、世界がぼくにわざわざこの音を聞かせている、みたいな。でも、その時はせいぜい、そのくらいのレベルに留まっていたんだね。
 これに拍車がかかるのが、今回の「装苑」に載っていた、市川実日子が紹介するオカリナ工房のレポートで、ああこれは、いわゆるシンクロニシティなのかなと、心臓がとくとくするくらいに、オカリナの存在が気になって仕方がなくなってしまったんだ。つまりは、恋に落ちたのと同じってことだ。あきれるくらいに、単純な話だ。マーケティング担当者が、腹を抱えて笑ってしまいそうな話だ。でも、今、心底、ここで紹介されているアケタのオカリナが、欲しくて欲しくて堪らないんだよなー。
 値段は、5800円からと、わりにお手頃ではある。以下のようなキャプションにも、やや古いかもしれないけれど、微妙にぷちナショナリズムをくすぐられてしまったりする。

 土が形となり、小さな穴から美しい音色を奏でるアケタのオカリナは17〜18名の職人さんの手からマジックのようにでき上がる日本の名品である。

 現在では外国でも日本の作り方の真似をするほど。

 そして、何より、フォルムが可愛い。ヤギのマークも、素敵すぎる。鞄に入れて、持ち運びたい。
 あー、どうしようかなー。買っちゃおうかなー。これ買う前に、先に買っておかねばならないものもけっこうあるのだがなー。
 そうはいいつつ、あたまの中では、先の男のように、今のこの時期、川辺でオカリナを吹くイメージでいっぱいになっている。気持ち、よさげだったしなー。シンクロニシティだしなー。ああ、ほんと、どうしようかなー。