谷崎をしのぐ

 あれー、どこかで読んだ文章だなあ、と金井美恵子「快適生活研究」に引用されている文章を読んで思ったのだけれど、そうそう、これだった。
http://72.14.235.104/search?q=cache:Piz0WITk384J:www.gslb.mainichi-msn.co.jp/shakai/gakugei/dokusho/news/20060326ddm015070130000c.html+%E8%B0%B7%E5%B4%8E%E6%BD%A4%E4%B8%80%E9%83%8E%E3%82%92%E3%81%97%E3%81%AE%E3%81%90&hl=ja&gl=jp&ct=clnk&cd=2
 3月に読んだ文章かー。
 いや、覚えてたはずだよ。「ディテイルだけ取って言うなら、河野多惠子谷崎潤一郎をしのぐかもしれない」のくだりに、これ、書かれている本人、不愉快になったんじゃないかなーと心配――つまりは、こころが動いたから。「快適生活研究」では、この書き手と間違えられた登場人物が、「私は文学上でも生活上でも女性差別主義者ではないのです」と手紙に書き加えようとして、結局<無意味な気がして>修正ペンで消してしまうのだけれど――「女性差別主義者か」ー。どうなんだろう? 金井美恵子のこの新刊、毎日新聞の書評欄で取り上げられることになるのだろうか? 取り上げられるのだとすると、上の「河野・谷崎」の部分、きちんと言及されるのだろうか? とまたもへんなことを心配してしまった。でも、この本を読んだひとは、みな似たり寄ったりのことをことを「心配」しただろうな。そうしたグルーブ感も、この本の魅力のひとつとなり得ているしね。