高い本

 今月末に、大辞林の3版が出るそうで。買うのかな? 自分。ここんとこ、わりに第2版をめくる機会が増えているので、もしかするともしかして、そういうことになるのかもしれないなあとぼんやりと思ったりもする。べつに、電子辞書に入ってる広辞苑でも構わないんだけどね。けれども、何となく、これってこういう読みなのかなあと予測しながらぱらぱらと紙をめくるという行為にも捨て難いものがあるのだ。クイズみたいで。
 ところで、先ほど、「今まで自分が買った本の中で一番高価だったものは何だったかなー」と思いをめぐらせてみたんだ。一般書に限らず、古本、マンガ、写真集を含めて。(ただ、教科書の類にはさほどの思い入れがないので外す。)そして、出て来た答えが、上記「大辞林」ということになってしまったというわけで。――つまらない? 地味すぎる? まあ、そうなんだけどね。「大辞林」も、教科書の類っちゃあ教科書の類ではあるしねー。
 次点では……うーん、なんだろう? 3000円台の本が、ただずらずらと並ぶだけのような気もする。そうだなー、そういやぼくって、今まで1冊の本に5000円以上かけたことってなかったかもなー。(除・大辞林。)まあそもそも、5000円以上かかる本の存在じたいが希少なんだろうけれど。(たぶん。)うーん、でもなんか、現時点ではすっかり忘れて去られている――もしくは自主的に記憶から抹殺した――穴馬が隠れているような気がするんだよなー。思い出したら、それだけで、発狂せんばかりにもだえ苦しむことになるのかもしれないよなー。
 ……と、ここまで来て黙ってるのもなんだから、正直に、次点に相当するかと思える本を言っておこう。1999年に新潮社から出たカポーティのオーラル・バイオグラフィ。その名も「トルーマン・カポーティ」。3500円。けっこう気合い入れて買ったよ、当時。でも、別に、おもしろかったし、「高かったー」つまりは「損したー」なんて思いは抱かなかったな。
 今はこれ、文庫本でも読めるよね。