ヒッチコックをもう一度

 渋谷のブックファーストに行ったら、「ヒッチコックトリュフォー」がビニール掛けになっていたよ。これ、いいなあ。オレが持ってるのなんて、帯のところがぐしゃりとひしゃげちゃってるからなあ。いや、そもそも書店で手にしたときからそうなってたんだけどね。店員のお姉さんにも「これ、構わないでしょうか」と聞かれたくらいだし。構うも構わないも何も、そこには(って丸善なんだけど)それ1冊しかなかったんだもの。仕方ないよね。
 ――と、いうわけで、ようやく読み終えたよ「ヒッチコックトリュフォー」。オレは今までヒッチコックの映画で見たのって、日曜洋画劇場での「裏窓」と「知りすぎていた男」と「めまい」と「ハリーの災難」、あとは「北北西に進路を取れ」と「鳥」くらいしかなかったから、これから他にもいろいろと、たとえば、「バルカン超特急」だとか「汚名」だとか「サイコ」だとかを見られるのだと思うと(特に「サイコ」はすげー楽しみ!)、なにかこう、心底からわくわくするものが湧き上がってくるね。まあその前にもういちど、上記作品を見直すというのもありなんだろうけど。中1だったからな。「裏窓」さいしょに見たのは。ジェームズ・スチュアートグレース・ケリーのながながとしたキスを見て、うちの婆さんが「だから西洋人てエイズになるんだよ」などとのたまっていたことを思い出す。そんな婆さんも既になく……。ああ、見たら、当時のことがヴァーッとフラッシュバックしてくるのかな? ドリス・デイの「ケ・セラ・セラ」とか、おとなになったいま聴くとかなり身に染みるのかもしれないな。