「めまい」

 ファンの人にはたまらないというキム・ノヴァクの野性的な魅力が、どうもぼくにはピンとこなくて。ミス・ノヴァク、やたらと顔がこわばってるんだもんなー。それを野性的と取るか都会的と取るかはたぶん見る人にかかっているのだろうけれど、その顔に加え、ノーブラの胸というのが、セクシーというより、なにかかなりに痛々しくて。乳首もニット越しに見えてるし。そこまで気合い入れなくてもいいのになーと正直思った。きれいなだけによけいに。
 ヒッチコック1958年の作。「サイコ」にしてもこの映画にしても、夢のようなという形容がつくらしい。そうか。夢か。しかも、悪夢系。死んだ女とそっくりの女が街中に現れ、その女を昔の女そっくりに変装させようとする男の話。悪夢じゃ、そうか、感情移入ははなから拒否してるのも当然か。救いがないんだもなー。もっと年をとれば、この映画のよさもわかるようになるのかな?