あわいの名

 さて眠ろうと思って布団に入るが、なかなか眠れない。目を瞑って、とりとめもないことを考える。考えて、そしてようやく、まぶたの裏に、自分では意識したこともないような突拍子もない映像が到来する。この映像が到来すると、「あ、今から眠りに入っていくのだな」と思い嬉しくなる。無意識が意識を凌駕する、とははっきり言えない、そのあわいにある時間。ぼくは、このおかしな映像が到来する時間に、何かぴったりな名前はないものかと探している。辞書を見た限りでは、どうにも見当たらない。ないのだろうか。あれば便利なのになと思う。(古語あたりでありそうな気はする。)たとえ眠りに入っていなくても、ぼくの場合、10分ほど目を瞑り、この映像が見られただけで体がリフレッシュされているのを感じるのだけれど。日中の話。