やや時季はずれな所感

 争いの出来事を思い起こして描かれる文章を読むと、どうしても、ある種の強い感情を喚起されがちになります。まあそれは、仕方がないといえば仕方がないです。むしろ、感情が湧かない方が不思議ではあります。(ここには、「不慣れ」という要素も関係してきます。)仕方がないのだけれど、その種の感情の放流を、勝手に、上から目線で、利用されそうになると、やっぱりどこか、身構えてしまう自分がいるわけで。――つまり、「きみはなんにもわからないんだから、わたしのいうとおりに考えていればいいんだよ」みたいなかんじの、みちびき。感情を、材料として提供されるのはかまわない、だけれども、料理をするのは、あくまで、こちらに任せてもらいたい、とは思います。はい。(とはいいつつ、そうした「みちびき」が出てくるのもまた仕方がないといえば仕方がないのかなあ……。むつかしい……。)