バレエ・リュス展(@目黒)

 再来年がバレエ・リュスの旗揚げ100周年だそうで。前に読んだ読売の記事では、この展覧会の他にも、今年は、関連書が出たりーの、映画が公開されたりーの、ニジンスキーの代表作が舞台化されたりーのと、いろいろ大騒ぎの様相です。で、そんな騒ぎの空気につられたのか、そうめったに関連品を生で見られる機会もなかろうなーと――ディアギレフとニジンスキーの関係力学もいちおう確かめんが為に――東京都庭園美術館にまで足を伸ばしてきました。バレエ・リュス展。正式名称は、「舞台芸術の世界(ディアギレフのロシアバレエと舞台デザイン)」展、ですね。ほうう、これが、100年前にプルーストも目にしていたというバレエ・リュスの衣装か……。などと、純粋に資料として愉しむ、というか、かってに色眼鏡を掛けて意味づけをしながら見ていく、というのもまた乙なものでありました。(ただ、自分の中では、いまだバレエ・リュス・コネクションはどうにも登場人物が入り乱れすぎていて整理し切れていない、というのが実状。)ニジンスキーが描かれているイラストは、何度見ても山岸凉子の筆致を思い起こさせたり。逆か。山岸凉子の筆致が、ニジンスキーのイラストを思い起こさせるのか。あと、二十世紀初頭のロシアにおける悪魔というのは、何というか、他のどの時代・地域の悪魔よりも、悪魔としての美学がきちんと確立されているような気がして素敵です。
 ところで、

 赤い靴(パンプス、スニーカー、サンダルなど何でもOK)もしくはダイヤ柄(菱形模様)のついた服装でご来館のお客様は、団体料金で入場いただけます。

 ……という割引制度が実施されているそうなのだけれど、さりげなく会場を見渡した限りでは、どちらの格好の人もいなかったような気がします。(八割が女性。)靴だったら、わざわざ上にあげてチケット売り場で見せるのかな? それこそバレリーナならお手のものだろうけれど、一般の人にも可能なのだろうか?