黒い燃えかすの灰のような

 金井美恵子がここのところ仕事を休んでいたのは、網膜剥離が原因だったようで(「一冊の本」9月号より)。5月に発症して、まだ本調子ではないというくらいだから、そうとうつらかったんだろうなあ。ただ、いまは順調に快方に向かっているとのこと。ひとまず、ほっ。(ここでも快癒を祈っておこう。)
 ときに、よく言われる「飛蚊症」という症状について、蚊? なにそれ? そんな可愛らしいもんじゃねえよ、という風に、言葉は違えど、「休載の記」で表しています。

 それは紙の黒い燃えかすの灰のような、実態のないひどく軽いふわふわと流動しながら飛ぶ何かなのだ。

 蚊よりもこっちの方がイメージとしてわかりやすいなあ――と、感じ入っている場合ではないか。