「男のくせに」といわれても

『知らないと恥ずかしいジェンダー入門』読了。加藤秀一著。朝日新聞出版。2006年。
 なぜ急にジェンダーに食指? という問いには、「京極夏彦の『絡新婦の理』がたいへんおもしろかったから」とうそいつわりないところを答えておきます。いや実際そうなので。

ジェンダー入門―知らないと恥ずかしい

ジェンダー入門―知らないと恥ずかしい

 いやいや、しかし……。
 あらかじめ、
「昔の記憶が喚起され、不快な思いをするのはある程度仕方がない」
 と覚悟はしていたものの、
 ああ、
 そういえば、
 あの時、
 あそこで、
「男のくせに」
 と、
 さげすみの視線と共に集団から排除された記憶が、
 ああ、
 よみがえるよみがえるよみがえる……。
 で、現在、悔し涙に眩れているのかというと、そんなことはまるでなく、本の内容と共に、そうした記憶の喚起さえも面白かったので——といういい方は語弊があるというか——やっぱり、この「ジェンダー」ってものは、自分にとって避けて通れない存在なんだな、体力不足だからって逃げてばかりいちゃ駄目か、ということを今回認識した次第であります。
 徐々に関連本を読んでいこうかなと、軽く予定を組んでいるところ。
 卒業文集のサイン帳に「男のくせに〜みたいだったからな」と書いてきたM尾さん(女性・カラオケが巧い)、今ごろどこでどうしているのかなあ……。しあわせな人生を歩んでいるのだろうか……?(ひとりごと)